ポール・グリリーとスージー・グリリーによる、 ヨガスートラ、タントラ思想から理解を深めるチャクラメディテーション集中講座(8時間)の講座メモをご紹介します。マニュアルとあわせてご覧ください。

WEEK 1 Patanjali’s Yoga and Chakra Meditation 第1週 パタンジャリのヨーガとチャクラメディテーション
ヨーガの経典のひとつとして知られるパタンジャリのヨガスートラは、今から約2000年ほど前に、当時周知されていた特定の思想や流派を支持することなく、ニュートラルな視線で編纂されたと言われています。 「スートラ」とは、言葉の数珠を糸で通すように短文で表現されるため、明瞭であると同時に難解で、多様な解釈ができる言葉の連なり。そのためヨガスートラを読み解くには、信頼できる解説者(Commentary) の存在が不可欠とされます。
ポール・グリリーの講座では過去10年以上、研究者・学者 クリストファー・キー・チャップルの著書「Yoga and Luminous」を解説書として使用しています。また、主にチャクラ、タントラ思想については、ヨガの研究者である故・本山 博 博士の研究や著書を参考にしています。 TOPICS トピック ◎Patanjali's Yoga Sutra ヨガスートラとは。4章の総括 ◎2nd & 3rd Chapter of PYS 2章と3章で述べられていること ◎Ashtanga Yoga 八支則の定義 ◎Pranayama ヨガスートラで定義されるプラナヤーマとは ◎Pratyahara ヨガスートラで定義されるプラティヤハラとは ◎チャクラメディテーションの実践(15分程度)ビージャマントラ「YAM」 ◎Q&A 質問タイム
はじめに
第1週の講座内でサンスクリット語を紹介するときは「パタンジャリのヨガスートラ」に出てくる語彙をのみを使用し、他の古典で紹介される語彙は使用しません。マニュアルに載っているスートラの抜粋、Pranayamaのテクニックはここでは省略します。
DAY 1
ヨガスートラの意図・歴史的背景に親しむ
Science of the mind
・マインドと心の働きを科学的について体系的に示す
・宗教的なトーンを可能な限り排除して、宗派、流派を問わない中立性を目指した
Control of Prana
チャンティングにより、Pranaをコントロールすることができると述べるのみで、特定のマントラ(真言)について言及していない。中立的なスタンス
8 limbs of yoga
八支則は、ヨガスートラのスピリチャリティ(精神的成熟)のガイダンス ヨーガの実践法を定義した八支則は、段階的に「より繊細な」Pranaのコントロールを要する
よって段階的に取り組むことが大切になる
A closer look at 8 limbs of yoga
八支則を仏教用語を使用せずに解説する 八支則をグループ分けして考えることで、それぞれの意味、段階的な実践が可能になる
Yama
対人関係・他者への態度・不和をもたらすような行為へと駆り立てる衝動を抑制していく
Niyama
内側の修練・成長。YamaとNiyamaは、Yin & Yangの関係と捉えることができる。外側と内側の取り組みは常に相互関係にある
Asana
一人でじっとして集中して座っていられること。これにより内側の感情や思考が体とどのように結びついているか学ぶことができる
Pranayama
体の集中が保てるようになったら、内側の感情や思考が、呼吸とどのように影響しているかを学ぶことができる。Pranayamaは4種類紹介され、それらは2グループに分類される。1) 吸う、吐く、止息の3種類と、2) 4つ目のPranayama (呼吸をしたいという欲求がなくなった状態)
*Yin Yogaでは、Yin Yangの言葉を借りて、4つ目のPranayamaをYin Pranayamaと呼んでいる。吐く息のあとの「間」が長くなっていく。息をするのを忘れてしまうような集中状態。次の吸気へと急ぐ衝動がない状態を想像するとわかりよい
Pratyahara
五感を背骨の方へと収めるプラクティス
意識的に五感を収める。Pranaを背骨の方へと引き込んでいくと、肉体との自己同一が収まり、では自分は何者なのかという探求が始まる。PranayamaとPrathyaharaは、ヨガスートラに特徴的なプラクティス。最初の3つ、最後の3つは他の哲学、思想、また宗教でも説かれる実践法である
Dharana
内側に集中する 。視覚的なイメージを使うなどして集中へと積極的に向かう
Dhyana
一点に集中する。積極的な努力はなく、そこにやってくる感覚、そこにあるNadaの音を感じることができる状態
Samadhi は、Abhyasa&Vairagyaの結果として起こる、自分自身への意識の変容。幽体離脱*は臨死体験などで偶発的に起こるsamadhiの状態だが、Samadhiは意識下で起こる *Videha (disembodied) 体から離れること

DAY 2
Patanjali's Yoga Sutra ヨガスートラのおさらいと鍵となるコンセプト
第1章 ヨガとは?
ヨガの定義。Samadhiとその種類について
Vrittiの定義。意識の領域に現れるものすべて(Vrittiの種類は1章5節、6節〜へと繋がる)
第2章 その実践・達成方法とは?
八支則 1−8の紹介と1−5についての解説
→もっとも実践的。ヨガTTなどで「ヨガ哲学」として紹介される内容
第3章 3つの体の超越とは? Vairagya の意味することは ?
八支則 6-8(総称 Samyama)についての解説
→よりスピリチュアルで万人受けするテーマではない
3-35節 因果関係 ここからカルマについての言及がはじまる Artha = 物事の価値について「自分のCittaの領域のなかで」どう見ているか。物事をどう捉えているか。 そこには必然的に生活環境(Karma)が影響している。Arthaが状況下、文脈によって意味づけが変化することを知り、Abhyasaの時間を生活のなかに確保すること= Karmaを新たに作らない努力。既に存在するKarma(生まれた国・育った環境など)にどう対処するかは、4章で述べられていく
第4章 Samadhi-Purushaにとどまるためには
欲望・願望。Karmaを浄化する、Karmaの種を消滅させるか
→さらにスピリチャルな内容に。奥義的
Purusha への探求のなかで、一貫したプラクティスを続けるとは実際にはどういうことなのか
例えば、肉体的なVrittiが収まるようになったら、アストラル体レベルでも同様にプラクティスを続ける、そして、コーザル体(原因身)でもプラクティスを続けること 肉体を客観的に観察できるようになり、より微細な感情などアストラル体に取り組んでいる場合: 瞑想中に、感情との自己同一化から解放された一瞬があったとしても、瞑想が終わってから、肉体の欲求を満足させるような享楽に耽ることは、Abhyasa に取り組んでいるとは言えない
4つの本質的な質問
・永遠につづくものなのか Immortal
・(意図は)純粋なのか pure ・永久の幸せをもたらすのかeternally happy ・本来のあなた自身か essentially you
*これらの4つに当てはまらない場合、Avidya 無知からはじまるKleshaの原因となる、という意味(参照:2章3節〜) 選択に迷ったとき(Karmaの条件に惑わされず)4つの質問を通して、Purushaへと近づこうとする積極的な努力(Abhyasa)ができるかどうか=これがYogiとそうでない者を分ける
参考図書: クリストファー・キー・チャップル 著「Yoga and Luminous」 関連Blogはこちら
Week 2 の講座メモはこちら