「陰ヨガの7つのステップ」とは?
陰ヨガの7つのステップは、過去20年の指導からジョー・バーネットが編み出した、陰ヨガの実践法であり指導メソッドです。陰ヨガの5つのステップとして紹介されることもありますが、今回はより指導者のためになる最新版「7つのステップ」としてご紹介しました。
この最新版では、陰ヨガの静かな側面により焦点があたっています。飛び石のようにポンポンと踏んでいくステップではありません。巻き貝のように螺旋を描きながら、マンダラのように円を描きながら、プラクティスを深め、指導に生かしていきましょう。
ジョー・バーネットが提案する陰ヨガの7つのステップ
1. Target Area: ターゲットエリア 指:ターゲットエリアを説明する 実:ターゲットエリアを学ぶ ・どこに感じたくて、どこに感じたくないかを明らかにする。ポーズによって複数箇所ターゲットが存在することを知る。ストレッチ・圧を与える部分を明確にする ・手のひらでさするようにして「このあたり」をジェスチャーで示す 指=指導者のステップ
実=実践者のステップ
・=補足内容
2.Variations バリエーション(複数形) 指:バリエーションを提示する
実:バリエーションを探る
・指導者は、複数のバリエーションを提示して、実践者にチョイスを選んでもらえるようなガイドを心がける。生徒が迷わないように2つか3つに留める。対面指導時には歩き回って個別にバリエーションを紹介する。プロップスを手渡すなど。 ・実践者は、日によって感覚が違うこと、左右差があることを感覚として学び、偏見を持つことなくポーズと向き合う
ポイント:1.2は6.の続き。より陽の態度(積極的に)で取り組む段階
3. Stillness: しずかに留まる時間 指:ポーズに集中して留まる、慈悲の心を養うためのテクニックを紹介する 実:ポーズに留まる ・指導者にとって3と4のステップを整理してキューを出すことが大切
例:ポーズを探るー>居心地の良さの確認ー>しずかに留まる。すぐさまリラックスしようとするのではなく、一旦そこで留まるというステップを設けることでまず身体的な落ち着きを確保することができる。その時間のなかで体感が変わる(キツイと感じる、刺激が感じられなくなる)ことがある
4. Relax: リラックスする
指:身体、呼吸のリラクセーションテクニックを紹介する 実:リラックスして、ポーズの作用を身体のより深いところで感じる
・このステップでは、「Feel 感じること」をうながすガイドをする ・ジョー先生の場合:呼吸法は意識して息を吸ってから溜息で吐き出す シンプルなテクニックを用いることがほとんど。指導者は自分がいいと思う呼吸法を採用する ポイント:3.4を一般的に「陰ヨガ」を捉えている人がいるかもしれないが、前後があるから成立する段階。そしてすべては6の体感、余韻の深さに現れる。
5. Release: ポーズをゆっくりとほどく 指:ポーズがもたらすエネルギーの反応を体験してもらう。瞑想的な状態に繋げていく 実:ポーズをゆっくりほどく ・ポーズをほどいたその瞬間から、エネルギーが活発になる。ゆっくりと筋肉を弛緩させた状態でポーズからでてきてもらう
6. Rebound: 余韻の時間 指:ヨギーの眠りをガイドする 実:余韻を感じる ・変化する内側の感覚(身体的、また感情、思考、精神において)をただ受け取る ・ターゲットエリアを探求するステップ1、またチャクラ瞑想などで意識して感じたい箇所がある場合とは、態度が異なる。「こんな感覚が起こるだろう」、「このあたりが感じられるだろう」という期待感を持たず、エネルギーが赴くままに、変化を見守る。より陰の態度が求められる。そのために必要なガイドを採用する(例:ヨガニドラ) ポイント:6. が陰が極まる段階。5.6.は個別に存在せずポーズを解く瞬間から余韻の体感が現れ始める。そのため細心の注意を払ってポーズを解く。 7. Yang 陽の要素を取り入れる
指:陽の動きを紹介して、エネルギーカーブを描く 実:陽の動きを取り入れる(次のポーズに備える) ・次のポーズ、または座位(クラス終了)へのトランジション このYangを1.2.へ循環させるサイクルの一部として考える。シークエンス、実践者の肉体的感覚、エネルギー受容性においても急にスイッチを入れるようなイメージではない。
陰ヨガの7つのステップ、いかがだったでしょうか。
NEXT STOP
2022 出演・指導スケジュール
5/3, 5/4, 5/5, 5/7, 5/8 SEQUENCING THE YIN ARCHETYPES Anatomy Module
陰ヨガの原型に基づくシークエンスデザイン 解剖学編(ヨガアライアンス25時間 指導者養成講座)
7/2 - 9/25 YIN VARIATIONS FOUNDATIONS 陰ヨガに特化した200時間指導者養成講座
陰ヨガの指導力を左右する
ファンクショナル・アプローチの考え方
「もっとも成長を遂げているヨガスタイルのひとつ」陰ヨガ。ONLINEヨガの台頭でさらに広がりを見せています。しかし陰ヨガでは、現代的なヨガのアライメントルールを重視するのではなく、機能を優先するファンクショナル・アプローチを取ります。
ファンクショナル・アプローチとは、陰ヨガの生みの親であるポール・グリリーが提唱するスタイルで、機能が形を見いだすという考え方に基づいています。ファンクショナル・アプローチでは、それぞれのポーズに生理学的な機能目的があります。機能目的に沿って生徒自らがポーズの形を見いだしていくために、ガイドをするのが指導者の役目になります。
陰ヨガの習得は、ポーズの形や名前を暗記するような方法ではなく自分自身との対話によって有機的に起こります。シークエンスデザイン講座では 実践、対話、探求を促しながら、5つのシークエンスを体験、分析します。最新の陰ヨガポーズの実践方法、陰ヨガの5つの原型、陰ヨガの指導に不可欠なターゲットエリアの知識について、陰ヨガに解剖学的観点から親めるのが 陰ヨガの原型に基づくシークエンスデザイン 解剖学編(ヨガアライアンス25時間 指導者養成講座)です。仲間との対話を通して ヴァリエーションの提案方法を身につけ 3ヶ月間で揺るぎない指導基盤を確立できるのが 陰ヨガに特化した200時間指導者養成講座 です。ニーズに合わせて受講をご検討ください。
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参考記事
過去の記事:シューレースの原型 (動画あり)
ジョー・バーネット 陽のシークエンス(動画あり)